漁船レールの取り付け方
ヤマハ漁船を例にしたレールの取り付け方法
このタイプの船は、シアーラインが曲面やアングル形状になっておらず、ハルの延長線上でそのまま切りっぱなしになっています。
そのため、シアラインを内側と外側から垂木で挟み込み、貫通ボルトで締め付ける構造になっています。
さらに、その2本の垂木の天場を一直線に削り、その上へ幅広の板を載せてレールとして仕上げています。
船首側は加工が難しい
この工法は、船体中央のまっすぐな部分では比較的簡単に施工できます。
しかし、おもて(船首)のように湾曲がきつい部分では事情が変わります。
木材を無理に曲げて取り付けられるわけではないので、カーブに合わせて厚い板を少しずつ切り合わせながら施工しなければなりません。
施工しやすい反面、船首周りでは手間がかかるため、一長一短の工法と言えるでしょう。
木材はいつか必ず傷む
ヒノキは「腐らない」とよく言われますが、実際には腐らないのではなく、腐りにくいだけです。
長年使っていると、場所によっては手で簡単にちぎれてしまうほど傷んでいることもあります。
当然、レールだけでなく土台になっている垂木も同じように傷んでいきます。
そのため、私はこの構造はあまり好きではありません。
私ならFRPでシアラインを作る
私なら、シアラインの通りをきれいに出し、FRP船らしくFRP製のヒレ(フランジ)を作ります。
その方がハル全体の強度も増し、木材のように腐る心配もありません。
レールの天板だけ交換すれば済む構造になるため、結果として船の寿命も延ばせると思います。
今から改造するなら
現段階の船へ手を加えるのであれば、まず既存の垂木をすべて取り外します。
その後、シアラインの切り口から約5mm下がった位置へ、水平が出るように切った板をグルーガンで仮固定していきます。
この板がFRPアングルを作るための型になります。
さらに、その上へ5.5mmベニヤ板を置いて型を完成させます。
型ができたら、FRPテープをL字になるように積層して硬化させ、脱型します。
これで丈夫なFRP製のシアラインが完成します。
レール板の継ぎ方
完成したFRPの土台へ、150〜180mm幅程度の板を船体の外周に合わせて取り付けていきます。
板同士の継ぎ目は、昔から木造船で使われてきた継ぎ方を採用すると仕上がりがきれいになります。
木材が乾燥しても隙間ができにくく、見た目も自然です。
下図左が正式な継ぎ手ですが、右側の省略形でも十分実用になります。
加工も簡単なので、DIYで施工する場合はこちらでも問題ないでしょう。
まとめ
従来の木製レールは施工しやすい反面、長年使用すると土台ごと腐食してしまう欠点があります。
一方で、FRPでシアラインを作っておけば構造強度が向上し、腐食の心配もありません。
レール天板だけ交換できる構造にしておけば、メンテナンス性も大きく向上します。
少し手間は掛かりますが、長く船を使うことを考えれば、FRP化する価値は十分ある工法だと思います。



