埋め木削りを機械化、大量生産?
手加工で作るより量産向きの方法にも欠点があり
一番はボール盤と電気が必要。
木目の矯正はほぼ無理なので使えない埋め木が中にはある。
最大の利点は、端材、木っ端を利用出来ること。
中央3本の製作者は旧知のおっちゃん。
船舶部品の旋盤加工その他、鉄工所経営者。
素材は、コバルトの丸棒を旋盤で削り おがくずと埋め木の排出口、刃付けは試行錯誤の結晶。
最初13mmのチャック用にしてたのを、私のリクエストにより10mmに変更。
焼き入れもおっちゃんの勘で。 もうやすりはかからないのでグラインダー必須。
ボール盤へ取り付け削る深さをストッパーで決めて下図のように掘っていきます。
上の例だと1個ずつしか並びませんが、2つ3つ並ぶ幅の板を使うとき あまり詰めすぎて掘ってると満月が欠けたようになったり、悪ければもげて不良品。
で、掘れるところが無くなったら、赤い線の辺りを帯のこで切ればパラパラと飛び出してきます。 難点は切断面が粗すぎて木目の方向がわかりにくい。
昇降盤だと綺麗に切れる反面、 埋め木がどこへ飛んで行くかわからない。
カバー内に落ちたら粉々。 (帯のこは特に注意。帯が切れたら大怪我ですみません。)
機械が無ければ鑿で叩く。これが一番安全かも。
8mmの穴へは8.5mm。9mmには9.3-9.5mmに仕上げた埋め木を打ち込むのですが、
その前に、木殺しして面取りのようにしないと穴に入りません。
木台より鉛の板やH鋼など金属の上でやるとちょっと叩くだけで効き 手首も疲れにくいと思います。
鉋で削った埋め木をかしめたら上図のように鑿で1個分切り、 かしめては切るを続けて
2個分の長さになったら 両端をかしめて 半分に落とします。
このキリで作った埋め木は2個分の長さしかないので同じようにかしめます
保管する容器はタッパで充分で、サイズや木材別にします。
上図×印を入れてる木工キリは何がバツかというと 先端がネジになっていて穴の深さが決まりにくく グラインダーで削るとき 刃先も削って切れなくなりがち。
ですので、下のネジになってないキリを使いましょう。
切れ味が落ちてきたら目立てやすりで研げば寿命は半永久? 記事一番上の画像にあるのはステンレスパイプの切れ端ではなく、 10mmのパイプに短い丸棒を入れてTig溶接。
段つきに削っただけの刃で埋め木キリとして使えました。
外径10mm、肉厚0.5mm、内径9mmが多少芯が振れて削れるので8.5mmになるのでしょう。
仮に内径9.5mmのパイプを使って1mm振らせて8.5mmを期待しても無理で。
振れて1mm大きい穴があくのなら 振れは見てわかるし 木材を押さえていられない。
ほとんどのステンレスパイプはミリで、鉄パイプはインチが多いので気をつけて。
チークデッキは2液のエポキシを入れてステンのタッピングビスで止めます。
そのとき接着剤の多いところはビス穴から溢れ、エポキシで埋まっちゃうことがあるので、
その時点で埋め木を用意しておき、固まらないうちに打ち込んでおきます。
翌日、見落としに気づいても修復は困難です。
穴から飛び出る長さの埋め木を打ち込み、仕上げはノミで削り 大きな径だと
小型の鉋を使うこともあります。
で、削り方は ノミの刃裏を上に向けて持ち。赤丸のように刃先を浮かせるのです。
そのため表の角?山になってるところを板にあててガイドにし 1回突くたびに
ノミを起こして突く。これをリズミカルに繰り返し。 残り1mmくらいになったら
刃裏を下に向けゆっくり丁寧に2-3回削って仕上げるようにします。
私は右手で鑿を握り、左手2本の指で刃を押さえて削ります。
上図左上のように、真っ直ぐ突きながら左手の指で右斜めへ押す。
突きながら薄く削ぐ感じにすると 逆目が目立たなくなったり 綺麗な削り肌が得られたりします。
ここで注意するのは、 必ず1個ずつ仕上げます。
理由は? 埋め木をどんなに矯正して柾目に木取っても逆目はでます。
で、荒削りのとき順目(ならいめ)に削るよう体の向きを変えて仕上げるより 全部1mm残して 最後、切れ味のいいノミで突けばいいじゃん? 全ての順目を覚えていますか?見てわかりますか? どちらから削っても大丈夫な埋め木はあります。
でもニス仕上げのハンドレールとかに逆目が出たら。。。
水に濡れても乾くのが早いチークデッキのその埋め木に溜まった水分は他より多め。
そこの乾きが遅いので、私なら近づいて見ちゃいます。
で、補修法は意外と簡単。 埋め木より細いキリで穴を掘って壊れやすくした埋め木を鉤状の金具で取り出し。
ドリルで揉み直してはいけません。キリを指で持って回すくらいに留めておいた方が無難。
新品の埋め木を打ち込み削って完了。
シリコンの空き瓶を取っておき、ハマタイトを目地に打つカートリッジとして使い捨てるお得感は異常? 廃品になるまで2回以上の役目を持たせられるものが世に溢れてると言っても過言では無い。
アルミ缶も飲んですぐに 湯ですすいで逆さにしてストック。
ナイフで半分に切ればタッチアップに使うペイントの容器に使え、そのままゴミへ。
マスキングテープをはがすとき、手についたハマタイトは灯油で洗うと綺麗に落ちます。
その後、石鹸で手をよく洗いましょう。