ボート、イケススカッパー水の入り過ぎ調整方法
加工自体は簡単で部品もそんなに高価なものではありません。
うまくいけば、あるいは妥協できる結果になれば、1回の上下架で済みます。
通販でぐぐるとこれが見つかりました。
うちの漁船に取り付けてるスカッパーと材質は同じです。
海水の入出量を調整できるようですが、数ヵ月後も手で動かして微調整ができるとは思いません。 うちで使ってるスカッパーの見た目は下図のスルハルと同じで、長さは自分で好きに切れる緑色のプラスチック製。
ある知恵袋の質問者とボートメーカーのやり取りを読んで、何か釈然としなかったので記事にします。
挿絵内のスカッパーを船底から大きく飛び出して書いてるのは、
形状をわかりやすくお見せするためです。実際は2cm以下。
スカッパーの下部(飛び出したチューブ状の部分)を上図の赤い線のように角度をつけて切って取り付け。
船が前進すると海水が入ってきます。これだけだと入ってくるだけで出て行くところがないので もうひとつは反対に向けて取り付けると出て行く方になります。
大抵の船のイケスはひとつだけか2つや4つと偶数個あるでしょう。
上図右は小型ボートにイケスがひとつ、スカッパーが前後ひとつづつ。
左のように4つスカッパーがある船は大きな漁船、海水を積極的に循環させる必要がある大きなイケスだと思います。
船を後進させても海水の出入りはありますが、前進するときの量と比較になりません。
上図右の黄色のスカッパーは角度をつけないで船底とツラいちに揃えることが多く、多少の出入りもあります。
出て行く方のスカッパーもツラいちに削った漁船も多く、うちの船もツラいちにしています。
そうすると走行中は水かさが増えて速度を落とすと緩やかに水が減っていきます。
もし、あふれてしょうがないイケスだったら出る方のスカッパーを少しだけ斜めにして 入ってくる方はツラいちに削るのがいいかもしれません。
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前から入って後へ抜けていくのが自然な流れだと思います。
スカッパーを拡大して見ると海水の流れるイメージは下図のようになります。
船によってスカッパーが前後に開いていなくて、左右に2つ並んでるイケスもあります。
それだと入る方と出る方はどっちにする?右?左? 同じ長さと角度にそろえて取り付ければ気にすることもなく、どちらでもかまいません。
速度をあげて走ったとき、どちらかに傾くのは別の問題があるのでフラップをつけてバランスをとる方法もあります。
実際の加工は下記の2種。
1の場合コーキングして締め付けると簡単にずれるので、スカッパーと船体へマジックなどよく見える合い印をつけておき、
印が合ってるなら計画通りの向きにとまってることになります。
フランジではなくボルトナットで取り付けるときは、先にカットを済ませてスカッパーを好きな向きにまわして いいところでボルト穴をあければ向きがずれることはありません。
穴をあけてから斜めにカットすると何回も船体にあわせて確認する手間が増えます。
グラインダーに100mmの砥石やペーパーをつけて簡単に削れますが、削った粉が焼けて熱いので手袋やマスクの防護を忘れずに。
船底から飛び出させる長さ(どれくらいの長さを残すとも言います)は? 巡航速度とイケスやスカッパーのサイズによりますが、経験上2cmもあれば充分だと思います。
欲をかいて3cm以上残しても水の抵抗が増えたり失敗して上架するのがオチです。
上げたらまた降ろすので料金が気にならない人はともかく、船体にも船主にもストレスがかかることでしょう。
下架したら 普段通りに旋回や直進して水が入りすぎれば、角度をゆるくするように削ります。 ですので、
矛盾したことを言えばある程度長めに削りシロを残しておいて、様子をみながら削って微調整。 ただし、削り過ぎたら元には戻らないのでもうひとつスカッパーを買うことになります。
最後に裏技?を ご存知の方も多いでしょうが、海水が入ってくるスカッパーのふたをきっちり締めて普通に走ってください。
出る方は開放したままなのでイケスの水がほとんどカラになったら、出るほうのふたも締めます。 こうすればポンプもいりません。
バケツでくみ上げなくても数分走るだけです。
が、ここで問題がひとつ。他にクルーがいればその人に締めてもらえます。
ひとりで操船中だとどうやるの? 広い海域に出て海水が戻って入ってこない速度に落として舵を真っ直ぐに固定。 周囲を見張りながら急いで締めてください。
バケツ半分くらいの水は残りますがコケを防ぐことにもつながります。
イケスの水が何kgあるか大体でいいので計算してみてください。
出航時イケスの水は必要なく、軽快に走行でき目当てのポイントに速く着けるし不意に風が吹いてもいくらか楽に操船できます。
獲った魚を入れるときにふたを開ければ一気に満水になり、 大漁の積荷で速度が出ないなら その時あなたを責める乗船者はいないはずです。