FRP燃料タンクの配管継ぎ手取り付け方法|燃料漏れを防ぐ確実な施工手順
FRP製燃料タンクの配管は「漏れない施工」が最重要
燃料タンクをFRPで自作するとき、一番重要になるのが配管用継ぎ手の取り付けです。
FRP製タンクを敬遠する人が多い理由の一つが、燃料漏れへの不安でしょう。
鉄・ステンレス・アルミ製タンクなら溶接やロウ付けで製作されるため、施工が適切なら漏れることはほとんどありません。万一の場合でも応急修理しやすいのが金属製の強みです。
その反面、
- 海水による腐食
- 重量がある
- 切断機や溶接機が必要
といった欠点もあります。
一方FRPは、
- 材料や工具が手に入りやすい
- 錆びない
- 軽量に作れる
- 自分で製作しやすい
というメリットがあります。
この記事では、FRP燃料タンクで燃料漏れを起こさないための、確実な継ぎ手取り付け方法を紹介します。
配管継ぎ手は用途に合ったサイズを選ぶ
タンクの大きさや用途によって継ぎ手のサイズは異なります。
大径になるほど価格も一気に高くなるため、必要十分なサイズを選びましょう。
燃料をエンジンへ送るタンクでは、通常タンク下部付近に穴を開け、
- ニップル
- ボールバルブ
- ゴムホース
などを接続します。
ホースを直接差し込むタイプのニップルもありますが、バルブを取り付ける場合はねじ切りされたタイプを選びます。
最近はホームセンターでもレバー式のボールバルブが簡単に購入できます。
L型ニップルも販売されているので、配管レイアウトに合わせて選択してください。
ニップルの取り付け方法
燃料取り出し口は通常タンク側面へ取り付けます。
積層するときは、タンクを回転させて施工面を上向きにすると作業しやすくなります。
位置が決まったら、グルーガンでしっかり仮固定します。
その後タルクパテを入れますが、指ではなく
- 箸
- バターナイフ
- 小さなヘラ
などを使い、角の部分へ必要最小限だけ充填します。
余分なパテはきれいに拭き取り、そのままガラスクロスを積層していきます。
ガラスクロス積層のコツ
ガラステープは、ニップル外径と同じか少し狭い幅にカットして一枚ずつ貼ります。
ローラーや刷毛で十分脱泡してください。
もし大きな気泡が残り、
「どうやっても抜けない」
という場合は施工不良です。
無理に続けず、一度すべて剥がして貼り直した方が確実です。
確実性を重視するなら二段積層
より確実に仕上げるなら、
- マットを2枚積層
- 一度完全硬化
- バリ取り
- 必要枚数まで再積層
という方法がおすすめです。
時間はかかりますが、失敗が少なく強度も安定します。
フランジ付きニップルなら施工しやすい
フランジ付きニップルを使えば、
- 仮固定しやすい
- 水密性が高い
- 積層もしやすい
というメリットがあります。
金属加工業者へ依頼して、フランジをロウ付けしてもらうのも良い方法です。
完全硬化後、ニップル内径より細いドリルで穴を開ければ燃料が流れるようになります。
エア抜きパイプも簡単に作れる
鉛筆ほどの太さの銅パイプへフランジを付ければ、エア抜きパイプとして使用できます。
純銅管は手で曲げられるため、U字形に加工して先端を下向きにしておけば、
- 雨水
- 海水
がタンクへ入りにくくなります。
大型タンクでは、オーバーフローした燃料が船内へ流れない場所までホースを配管してください。
大口径配管にはスルハルも使用可能
大径配管にはスルハル金具も使用できます。
ただしタンクを箱状に組み立ててしまうと内部へ手が入りません。
そのため、
- 穴開け
- 継ぎ手取付
- シーリング
は蓋を閉じる前に済ませておきます。
メンテナンス性を考えるなら点検口も検討
後から多少でもメンテナンスできるようにするなら、点検用バルブや点検口を設ける方法があります。
ただし、そのぶんタンク外側へ金具が突出するため、設置場所には注意が必要です。
なお、安価な樹脂製スルハルもありますが、燃料タンクへの使用はおすすめできません。
樹脂製は、
- 清水タンク
- 喫水線より上の排水
- ギャレー排水
などへの使用に留めるのが安心です。
給油口の取り付け
デッキを貫通して給油口を設置する場合は、
- 給油ホース
- タンク側大型継ぎ手
も必要になります。
携行缶へ取り付けることも可能ですが、大掛かりになり過ぎないよう注意してください。
「GAS」「DIESEL」と刻印された給油口も販売されています。
昔ながらの給油口ハンドル
(写真)
昔のスカッパー用ハンドルは現在の製品へ流用するのは難しいと思います。
大きな給油口では2つ穴タイプもあり、ハンドルを海へ落としたり忘れたりしても、ドライバー2本があれば開閉できる場合があります。
上図のように大きなふたで穴が2つ。
ママレモンは食器用洗剤です。
英語圏の人に、ちょっとそこのドライバー取ってや!と言っても通じません。
彼らにはスクリュードライバーと伝えなくてはいけません。
余談をもひとつ。
カクテルの名前でスクリュードライバーというのがあります。
オレンジジュースとウオッカをスクリュードライバーでかき混ぜて作った飲み物ですが、
終戦直後の物が無い時代には新鮮なオレンジを日本へ運搬するには限度があるので、
バヤリースのオレンジとウオッカをSnap-onのスクリュードライバーで混ぜるのが正式な作り方だそうです。
当時のスクリュードライバーは当然 マイナスドライバーです。










