FRP船のデッキの載せ方|バウ・スターンの施工方法と水抜き穴のポイント
FRP船のデッキ取り付けは、船体強度や防水性に直結する重要な工程です。
基本的な考え方は漁船もプレジャーボートもほぼ同じですが、バウ(船首)とスターン(船尾)では施工方法が少し異なります。
今回は、実際に行っているデッキの載せ方と、水漏れを防ぐためのポイントを紹介します。
バウ(船首)のデッキ施工
シアラインまで仕上がっていることを前提に作業を始めます。
ハルと隔壁より数cmほど大きめに製作したデッキを、そのまま載せます。
隙間を確認しながら微調整を行い、センターと前後位置を決めて仮固定します。
位置が決まったら、船内とデッキ裏側のホコリをしっかり掃除します。
その後、接合部へパテを入れてから内側よりガラステープを積層します。
先にパテを入れることで隙間を完全に埋めることができ、防水性が大きく向上します。
外へはみ出したパテは、硬化後にデッキ外周を切り合わせる際、一緒に削ればきれいに仕上がります。
また、この部分はチェーンロッカーとして使われることが多く、ハッチが付いている船も少なくありません。
チェーンロッカー内部には有害ガスが溜まっている場合があるため、十分に換気しながら作業してください。
隔壁の積層・固定も忘れずに行います。
チェーンロッカーの水抜き穴
チェーンロッカー床とステムが交わる部分には、水抜き穴を設けます。
穴はステムに対して垂直ではなく、鉛直方向に開けるのがポイントです。
ステムへ直角に穴を開けてしまうと、走行中に船首へかぶった波がそのまま穴から侵入する可能性があります。
鉛直方向に開ければ、ロープに付着した水は自然に真下へ落ち、効率よく排水できます。
穴径は12mm以上確保しておくと安心です。
アフターデッキ(船尾)の施工方法
アフターデッキでは、デッキ仕上がり面より約5mm低い位置へ、硬質発泡材を三角形に加工して配置します。
グルーガンで仮固定した後、約3プライ積層します。
硬化後は、飛び出している部分がないか確認しながら受け全体を軽くサンディングします。
問題がなければデッキを載せ、位置を合わせます。
その後、グルーガンで数か所仮固定し、船内側からパテを入れて約5プライ積層します。
十分に硬化すればデッキの上を歩けるようになるので、はみ出したパテを削り、最後に外側から約4プライ積層して仕上げます。
バウで外側から積層する場合
この工法は、ブルワークから一段低い位置にデッキがある船でも使用します。
船内側から積層できない構造の場合は、外側から約5プライ積層して接合します。
内側から施工できる方が理想ですが、構造上どうしても難しい場合には有効な方法です。
まとめ
船体やデッキそのものの積層作業は手間も時間もかかりますが、デッキを載せた後のガラステープによる接合は、思っているほど難しい作業ではありません。
位置決めと下地処理、防水のためのパテを丁寧に施工しておけば、その後の積層は比較的スムーズに進みます。
FRP船製作では目立たない工程ですが、完成後の強度や耐久性を左右する大切な作業なので、焦らず確実に進めることが何より重要です。



