TEAC X-1000Rのゴムベルト交換で復活!オープンリールデッキ修理の記録
981年発売直後、第一産業でローンを組んで購入した TEAC X-1000R。
当時は憧れのオープンリールデッキでしたが、カセットデッキほど酷使することはなく、いつしかラックの中で半分置物のような存在になっていました。
先日、押し入れから取り出して10号リールをセットし、久しぶりに電源を投入。
ところが再生ボタンを押しても、ピンチローラーは上がらず、リールも回らない状態でした。
ただし、早送り・巻き戻しは正常。
それから約1年。ようやく再生できるまで復活したので、その過程を簡潔に紹介します。
症状の原因はキャプスタンベルト
「TEAC X-1000R」で検索すると、同じ症状で困っている方の情報が見つかります。
修理経験者のサイトやYouTubeを見ると、多くの原因はキャプスタンベルトの経年劣化とのこと。
ベルトが溶けて切れてしまうと、モーターは回っていてもキャプスタンが回転せず、テープを送れないため再生できなくなります。
原因が分かったので、自分で分解して修理に挑戦しました。
本体を分解
まずはキャビネット側面左右8本と底面4本のビスを外し、カバーを取り外します。
配線を束ねているインシュロックを切断し、小さな基板とモーターも取り外しました。
モーターにはワッシャーが2枚入っていました。
位置調整用なのかもしれませんので、元通りに戻せるよう保管しておきます。
けたゴムベルトに驚く
プーリーカバーを外した瞬間、思わず驚きました。
ゴムベルトは完全に溶け、プーリーへベッタリと癒着。
途中は切れて内部へ落下していました。
指で触るとネバネバで、手に付くとなかなか落ちません。
大きな塊はティッシュで取り除き、薄く残った部分はフローリング用ウェットシートで清掃。
エタノールと界面活性剤が入っているためか、意外なほど綺麗に拭き取れました。
細かなゴム片は綿棒で集めながら丁寧に除去しました。
千石電商の平ゴムベルトを加工
交換用として千石電商で直径150mmの平ゴムベルトを購入。
しかし、そのままでは長すぎます。
そこで一か所をハサミで切断。
DVDスピンドルケース(外径約125mm)へ両面テープを貼り、ベルトを一周巻き付けて必要な長さを確認しました。
重なり部分は約6cm。
両端へゴムのり(G-17)を塗って乾燥させ、位置を合わせて圧着しました。
数分待ってからプーリーへ装着すると、少し余裕がある程度の張り具合になりました。
ベルトの取り付け
プーリーカバーを取り付けた後は少し器用な作業になります。
左手でモーターを持ち、右手でドライバーなどを使ってベルトを持ち上げ、モーター側プーリーへ掛けます。
モーターを3本のビスで固定したら、キャプスタンと同軸の大きなプーリーを手でゆっくり回し、ベルトが自然な位置へ収まるよう馴染ませます。
ベルトが外れず、2つの大きなプーリーが一緒に回ることを確認したら試運転です。
再生ボタンを押す際は、念のためストップボタンへ指を添えておくと安心です。
万一の場合は電源を切るのが一番確実でした。
復活!…と思ったら
最初は音が出ず、VUメーターも点灯しません。
「壊してしまった…」
と落ち込みましたが、原因はプリント基板へ接続するカプラーが1個外れていただけでした。
差し込み直すと音が出て、VUメーターも元気よく振れ始めました。
思わずガッツポーズです。
余計な分解で焦る
実はYouTubeを見る前に分解を始めたため、本来外す必要のない前面パネルまで分解。
磁気ヘッドも取り外そうとして途中で断念しました。
元に戻したつもりでしたが、ネジの締め忘れがあり、録音トラック位置がずれて正常音と逆転再生音が混ざって聞こえる状態に。
調整用らしきビスがたくさん見えていましたが、触らずに締め忘れだけ直したところ正常に戻りました。
下手に調整しなくて本当に良かったです。
今さらながら取扱説明書を読み返しました。
昭和の録音が蘇る
組み立てを終え、ヘッドホン端子からパソコン用スピーカーへ接続。
保管していた10号リールを確認すると、
- AKAI製テープ(当時サービスでいただいた中古品)
- maxell製新品テープ
- 空リール1本
が残っていました。
録音内容は、
- 高中正義
- 甲斐バンド
- 中森明菜
- 中島みゆきのラジオ
- マドンナのラジオライブ
など、まさに昭和の思い出です。
19cm/s録音は今でも十分楽しめます。
一方、9.5cm/s録音ではスローなピアノやストリングスになると回転ムラが目立ちました。
ベルトを継ぎ足していることと、少し張り気味になっていることが原因かもしれません。
次回交換するなら直径135mm程度がちょうど良さそうです。
純正ベルトを使わなかった理由
「TEACから純正部品を取り寄せれば?」
と思われるかもしれません。
しかし発売から40年以上経過した製品です。
仮に純正ベルトが残っていても、製造からかなり年月が経過している可能性があります。
それなら比較的新しく製造された非純正ゴムベルトを使ったほうが安心ではないかと考えました。
サイズが合わなければ、その時にメーカーへ相談すれば良いという判断です。
TDKテープは劣化
手持ちのTDKテープは完全に劣化しているようで、録音レベルが低く、回すたびに磁気粉がデッキへ降り積もります。
新規録音には向かない状態でした。
今後は録音を楽しむというより、昔録音した貴重な音源を再生して楽しむ使い方になりそうです。
使用した工具
今回使用した工具は次の3点だけです。
- プラスドライバー(大・小)
- ニッパー
特殊工具は使用していません。
まとめ
TEAC X-1000Rは、キャプスタンベルトが劣化すると再生できなくなることがあります。
今回のようにベルト交換だけで復活するケースもあり、40年以上前の名機が再び音を奏でる姿には感動しました。
ただし、分解・修理はすべて自己責任です。
一度でも分解すると、メーカー保証だけでなく修理受付を断られる可能性もあります。
これから修理に挑戦される方は、その点を十分理解したうえで作業してください。








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